DIARY:2001 APR.11〜20


Top(表紙)へ
日記詳細インデックスへ:↑最新の日記ページへ↑
←前回の日記ページへ次回の日記ページへ→


2001年4月11日(水)

こけっ!
自宅から池袋までのお散歩中、こける。
オムロンの新型万歩計がうれしいんだろうね、おれ。
ちょっと、がしがし歩きすぎたようだ。

教会でひざまずくのを10倍速にしたくらい……、
そんなポーズと勢いで、こける。
風邪をひいたり、作業で机にへばりついている間に、
足腰が弱っていたようだ。

「睡魔」
梁石日の「睡魔」を読了。
マルチ商法に、はまっていく過程を淡々とねちっこく描いた小説。

もう何年も前のことだが、
開発のトイレの前で思いつめたような顔をしていた
グラフィックの女の子がいた。

最近、夕暮れの246をうれしそうな顔で、弾むように歩いていたことを
何度か、目撃したことから、
「彼氏でもできたのかな」と思っていた女の子だ。

「柴尾さん、今日の夕方って、時間あります?」
「どうしたの?」
「たいせつな会合があるんですけど、
来る予定の人が来られなくなって、困ってるんです」
「……?」
「柴尾さんみたいなクリエイターなら、ぜったい、
有意義な会合だと思うんですよ。
ロスでアパレルメーカーやってる人とか、
ハリウッドのメイキャップアーティストとか、いっぱい来るんですよ」

ははーん。こりゃ、マルチですな。

おれは時間さえあれば、英会話教材だろうが、
人格改造セミナーだろうが、手かざしだろうが、
SF商法だろうが、開運印鑑だろうが、ラッセンの絵だろうが、
そういった「人生を近道する」ツール販売の
話を聞きにいくのは、大好きなのである(買わないけど)。

2〜3時間、話を聞いて、
「あなたのためを思っていってるんですよ」
「吸ってるタバコをやめて、ローンを組めば、人生が変わるんです」
脅されて、泣かれて、割り勘して、さよならするのが、
大好きなのである。

ポーズをつけて、すこし渋った様子を見せながらも
そのセミナーとやらに参加することを同意した。

青山劇場近くのセミナーハウスにぼくを連れていった彼女は、
独特なファッションセンス。
ゲームのグラフィッカーなんて、そんなものである。
会場のキャパは100人程度。
やっとスーツが似合うようになってきた……、
そんな年ごろの若い勤め人でぎっしり。
濃紺の人の群れの中で、
彼女のファッションセンスは、まさに異彩を放っていた。

セミナーはおきまりの展開。
「20代でフェラーリが買える」
「有名大学を出て、一流会社に通っていたが、
生きることの意味に疑問を持っていた」
「これは、マルチやネズミ講ではありません」
「シルバー会員」、「ゴールド会員」、「プラチナ会員」
「無農薬野菜」、「24時間風呂」、「家庭内エステ」

商品の説明と自己実現、日本を変えるシステム。
そんなものがないまぜになった説明をあれこれ聞きながら、
推定愛読誌が「Big Tomorrow」な人たちの熱気をじかに浴びる。

「どうでした?」
「スーツ姿が多いので、びっくりしたよ」
「柴尾さんって、スーツを着ている友だちっていないんでしょうね」
無邪気さが無礼につながる答えに、おれはむっとした。
「そこそこの大学いってたから、スーツの友だち、いっぱいいるよ」
そういって、皮肉ったつもりだった。
「じゃあ、その友だちを紹介してくれませんか」
彼女は無邪気に答える。

自分はこの手のセミナー見学を趣味としているけど、
趣味の押しつけは、人生でもっとも下品なこと。

「……そのうちね」
「このあと、リーダーとお食事するんです。
リーダー、すごい人なんですよ。ぜひ、柴尾さんに紹介したくって」
「ごめん、さっきもいったように、夜、飲む約束してて……」

さっき、あらかじめ、予防線をはっておいたのだ。
もちろん、そんな約束はない。
混みあった階段で不作法にぶつかってくる
スーツをかきわけて、サバトから脱出した。

翌日、開発にいってみると、彼女がぼくを誘ったことが、
「問題」になっていた。
おびえた社長はクライアントのえらい人に相談した模様。

ぼくが、誘いにのったことで、
彼女に悪いことをしちゃったかな……とも、思ったりもしたけど、
彼女は、ぼく以外の「クリエイター」諸氏にも
あれこれ勧誘していた模様。

ほどなくして、彼女は会社を辞めた。

「尊敬する人が欲しいんです」と、
入社当時、語っていた子だったけど、
いまごろ、どうしているんだろう?
尊敬できるひとはできたのかな。

「睡魔」を読んで、その子のことを思い出した。


2001年4月12日(木)

映画「ハンニバル」
かみさま、もしも ぼくが せいぎを あいする まじめな こだったら、
レクターはかせが ぼくを まもってくれますか。
ずるいことを しなかったら、レクターはかせが ごちそうしてくれますか。

映画「ハンニバル」を
ワーナーマイカルシネマズ板橋8番スクリーン(THX)で鑑賞。
堂々たる映画として、思いっきり堪能した。
前半の息詰まる展開は、迫力あふれる映像とあいまって、
座席に背中を力強く押しつけられるほどだ。
スクリーンから、圧力を感じたわけです。

前作よりも紳士の面を強調し、理を全面に立てた
シナリオ構成は、好みの分かれるところだが、
ぼくは前作「羊たちの沈黙」より、こっちのが好きだなぁ。

残虐なクライマックスがあるため、
だれにでも勧められる作品ではないけど、
リドリー・スコット監督が、
本気でアカデミー賞をねらっていたことがわかる仕上がり。

ハンス・ジマーの楽曲もとことん美しく、
要所にしかけられた「動物の鳴き声」などのSEも周到で、
やはり、これは劇場で観るべき映画といえるだろう。


2001年4月13日(金)

映画「アンブレイカブル」
ワーナーマイカルシネマズ板橋2番スクリーンで
「アンブレイカブル」を鑑賞。本日最終日なり。ぎりぎりセーフ。

映画の修辞学的よろこびに満ちた作品だった。
ほんとに、わくわくしながら、最初から最後まで見た。
さすがは脚本料500万ドルの映画!

ただ、見終わったら、3日くらいでどうでもよくなり、
3年後には、「そんなのもあったなぁ」と思える作品ではある。

映画でもゲームでも小説でも、ネットにあふれる批評を読んでると、
意外性のある「オチ」をやたら気にする方が多くて、
作り手のこちらとしては、やたらと困る。

RPGのストーリーに意外性のあるオチを入れろといわれても
落語のサゲじゃあるまいし、勘弁してよってなもんだ。
まぁ、おおむね、そういうことを書かれる方は………(自主規制)。

そういう人は、この「アンブレイカブル」みたいな
「オチ」が強力にきわだつ作品を見て、どう思うのだろうか。
おおいに満足するのだろうか。


2001年4月14日(土)

妹夫婦の家へ
孫の世話のために上京している母に会うため、
立川の妹夫婦の家へ。

ここには、ふたりの甥がいるのだが、
文字も読めないくせに、小学館の「てれびくん」のページをめくり、
「仮面ライダーアギト」の人形に、オリジナルドラマを託する
長男の表情や行動に、既視感というか、既「体験」感あり。
ほんの35年前に、おれも似たようなことをやっていた。

「てれびくん」の編集長は、おれが学年誌の仕事をしていたころに、
とてもお世話になった方であったりするわけで、
こちらもなんだか、不思議な感覚。

生意気ざかりの甥っ子は
かわいがりたくもあり、いじめたくもあり。

断固うんこです
ウェブのあちこちで、みなさんダイエット談義をされてますが、
痩せはじめの1〜2キロは、体内の水分やうんこだと思います。

脂肪を1キロ燃焼させるためには、7200キロカロリーが必要なわけで、
基礎代謝量を考えても、わずか1日や2日で
脂肪が1〜2キロも減るわけはありません。

仮に水分やうんこ以外のなにかだとしたら、
それは筋肉を落としているだけです。
そんな痩せ方は、よろしくなかろうかと……。


2001年4月15日(日)

映画「スターリングラード」
高瀬美恵さん、けーむらくんとワーナーマイカルシネマズ板橋へ。
遅刻女帝の高瀬美恵さんは、その名にたがわず、今回も遅刻。
その理由は、「まちがえて急行で成増にいっちゃいました」とのこと。

「PRIMPTON」で、軽くお茶をしたあと、
10番スクリーンで映画「スターリングラード」。
くどさ皆無というべきか、ド演歌からいちばん遠いというべきか、
正攻法な演出で知られるジャン・ジャック・アノー監督の戦争巨編。

かつては「人類創世」とか、「小熊物語」とか撮った監督らしく、
ドラマにおける重要なシーンは、セリフではなく、
映像で饒舌に語ろうとする姿勢が微笑ましい。

日曜日の戦争映画ということで、
劇場内にも初老のお客さんが多い。

もちろん、21世紀の第二次世界大戦もの、
「プライベート・ライアン」以降のCG多用バトルスケープは
じゅうぶんに醍醐味があるが、
素材をペダンティックかつショッキングに描写するのではなく、
淡々と豊かに描く創作姿勢は好ましい。

ドイツ軍のスナイパー役、エド・ハリスが、かっこいいし、
「魅せられて」、「ハムナプトラ」と一作ごとにチャーミングになる
レイチェル・ワイズに胸キュンのことよ。

5本に1本くらいは、こういう映画を観たいなぁ。

ジンギスカンの「神居古潭」
映画鑑賞後、東武東上線で下赤塚駅へ。
北口を降りて、右に商店街をまっすぐ。
ジンギスカンの店「神居古潭(カムイコタン)」に入る。

以前、テレビで紹介されたおりに、感じのいいマスターをみて、
このマスターなら、うまいものが食えそうだと、思った店。
なにより、感覚的にご近所というのがいいっすね。

店内は、地方都市の居酒屋といった風情で、
小樽出身のマスターの誠実さが、うれしい。
「暑いでしょう」と窓を開け、通りにむかってすだれをおろす。

今回は5000円のコースをお願いしたんだけど、
ホタテ焼き、うまーい。海老、うまーい。
鮭のハラス、うまーい。
追加で頼んだ、オリジナルの餅餃子、うまーい。
そして、なにより、ジンギスカン、幸せだよーー!

「冷凍にしてある店だったら、野菜で蒸し焼きにしろとか
いうんでしょうけど……」
そういいながら、直焼きにする羊の肉は、
ラムとマトンの中間のホゲット。
ジューシーな旨みが絶品で、そのへんの牛肉は帰ンなさいって感じ。

有線でフォークソングをはじめに60年代後期から、
70年代の手触りがする曲が流れる空気は、
最高にリラックスできる。

とことん、満足して、たっぷり酒も楽しんで、お開き。


2001年4月16日(月)

ハドソンにて
ハドソンでのテストプレイ強化週間を強襲。
本日のテストプレイヤーは、
アリtoキリギリスの石井正則さんと、その奥さまの愛さん、
そして、JTBの高橋秀幸さん。

なにかね、大人のみなさんが、楽しそうに
ゲームをプレイしているのを横で拝見していると、
うれしくなっちゃいます。

テストプレイの模様はさくまあきらさんの日記でご覧ください。

それにしても福本岳史くんという共通の知人がいると、
話があれこれできるなぁ。

あなご!
テストプレイ後は、石井愛さんの大好物、あなごの絨毯爆撃!
日本橋三越前の「あなごや吉五郎2号店」。
平均的日本人が一年で食べるあなごよりも、
多いくらいのあなごづくしである。

「ダイエットには、あなごがいいんですよ。ビタミンが効くんです」とは、
平成穴子博士の石井愛さん。
そうですか。効くんですか。ならば、食うしかないでしょう。

どれくらい効いたかといえば、翌朝、1KG増である。
過ぎたるはおよばざるがごとし。


2001年4月17日(火)

どういうつもり?
「メッセージみました」という表題で、
榎本真知香という見知らぬ女性から突然のメール。

こんにちは
 あなたのメッセージ掲載を拝見して、思い切って
メールを出すことにしました。私は22歳のネット初心者です。
インターネットを通してのときめく出会いを求めたくて
お返事のメールを書いています。
どうか私を気にいってくださるといいのですが…。
 短大を卒業して以来、男性とのお付き合いはありません。
外見よりも内面的な優しさや包容力のある方との出会いを求めています。
また、一人暮らしなので頼りがいのある男性とメールでの
やりとりやお会いしたいと考えています。
そのためには身元確実な誠意をみせていただける方が第一です。
匿名性がメールの利点でもあるわけですが、
長くこうした状態を続けることは個人的には好きではありません。
どうか、正直に本当のお名前・偽りのないご住所・お仕事内容などの
自己紹介をきちんとしていただける方で
私のことを気に入ってくださるようでしたら、
あなたのご希望に沿うよう私も誠意を持って接することが
できると思います。

カンタンな自己紹介
 本名:榎本 真知香
 年齢:22歳
住所:東京都 大田区上池台※−※−※※−※01
電話:(次回以降にお教えしますね)
出身:愛知県
身長:158cm
体重: 45kg
BWH:85/58/86
賞罰:地方の「ミスきもの」に選ばれたことがあります
趣味:ダンス(ヘタだけど)・カード占い(良く当たるんですよ)
 仕事:コンピュータ関連会社のOL(総務担当)
    コンピュータの知識はほとんど、ありません。

こんな私ですがよろしくお願いします。
お返事お待ちしています。

コンピュータの知識がほとんどないにもかかわらず、
ずいぶんと珍しいフリーメールアドレスを使っている。

こんなのに、だまされる人がいるのだろうか。


2001年4月18日(水)

地獄への道は……?
毎日3食のうち、2食をマイクロダイエットにしているダイエッター。
それが柴尾英令である。
4ヶ月のうちに、15キログラムの減量をめざし、
日夜、苦闘する柴尾英令。

しかし、そんな柴尾英令の前に、
手強い敵が登場した。
それが食べさせ魔神サクマアキラーなのだ!

サクマアキラーの攻撃は、狡猾そのものといえよう。
まず、獲物を美食に誘う。
ターゲットの横に座り、満面の笑みで、
「これ、おいしいよ」と、ささやく。

サクマアキラーは、このとき、なにも食べない。
ただ、ビールを勧め、食べものを勧める。
これこそ、「金を払って、肉を増す!」攻撃。

凡百の人間ならば、
自分がダメージを受けていると気づかないまま、
サクマアキラーの攻撃を受けることだろう。

しかし、柴尾英令はちがう。
「やばいなぁ。攻撃されてるなぁ」と、気づきながら、
ぱくぱくと食べるのである。

今回の舞台は築地の寿司屋「太郎樹(たろうき)」だ。
「柴尾くん、ビール、頼んだら……?」
「とりあえず、セットでたのんで、
それから柴尾くんの好きなやつたのむから……」
「ビール、空いてるよ」
「それ、椎茸のにぎり! おいしいよ」
「ほら、柴尾くんの好きなカリフォルニアロールだよ」
「クランチロールがもうすぐ来るからね」
「柴尾くん、ネギトロ余ってるよ」

ああ、満腹で幸せで、死にそうになる。
しかし、幸せはつづかない。
この攻撃の結果は翌日、明らかにされる。


2001年4月19日(木)

メリハリのある体重
80.2キログラム!!
昨日、測ったときは79.0キロだった体重が、
1.2キログラムも増えていやがる。

おそるべし、サクマアキラー!

このままでは、明白にまずい。
せっかく切った80キロの壁をふたたび、クリアーするべく、
まとめて歩くことにする。

東武練馬から後楽園まで、
国道254号線(川越街道→春日通り)沿いに歩く。
歩数14525歩!

万歩計によれば、780カロリーを消費しているそうだから、
昨日の超過分くらいはクリアしていることだろう。
なんか、マッチポンプのような人生だなぁ。


2001年4月20日(金)

映画「キャスト・アウェイ」
トム・ハンクスが3度目のアカデミー賞主演男優賞をねらった
キャスト・アウェイ」は、まさしく、アメリカらしい寓話であった。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋4番スクリーンにてDTSで鑑賞。

ぼちぼち劇場での上映が終わるころなので、
あわてていったが、来週もまだ上映する予定であった。

寓話と書いたのは、ほかでもない、
この物語が焦点を当てているのは、
「電波少年」的リアリティでもなく、
「サバイバー」的生き残りでもないからだ。

おなじ監督主演コンビの「フォレスト・ガンプ」と同等で
人間は、なにに生かされているのかを見つめ直す
現代を舞台にしたファンタジーなのだ。

2時間24分という長尺の映画だが、
不要な部分をばっさり切り取った作劇は
短編の切れ味といってもいい。

おもしろかったなぁ。

脱出困難な無人島を舞台にした映画を見終わって、
深夜0時過ぎ、エレベータで1階に下りたところ、
開いてるはずのシャッターが閉まっている。

ふたたび映画館のある5階にもどり、
売店のスタッフに「下、閉まってるんですけど……」と聞いたところ、
「すみません、手違いみたいで……」とのこと。

5分ほどして、無事に出られたんだけど、
なんだか、おれがキャスト・アウェイされたみたいだぞ。


Top(表紙)へ

↑このページの冒頭にジャンプ!↑

←前回の日記ページへ次回の日記ページへ→