「続・ウィーン愛憎 ヨーロッパ、家族、そして私」
「続・ウィーン愛憎 ヨーロッパ、家族、そして私」中島義道著 中公新書
33歳にして、哲学科の博士号をめざす私費留学生として、ウィーンにおもむいた筆者が、直面したのは、高慢、偏見、頑迷かつ排他的なヨーロッパ人との戦いであった。
アジア人がなんらかの失敗をするとまるで犬を叱りつけるように高圧的な態度で教え諭すヨーロッパ人。路上で公園でレストランで、東アジア人を見かけると「チャンチュンチョン」とはやし立てる子供たち。非能率的な大学事務局。授業中、間違っていてもそれを認めず、でたらめな解答を延々としゃべる学生たち。理不尽なことばかりいう大家。日本文学の授業中、「源氏物語は世界最古のロマーン」であると説明するや、それを認めたくないがために「ヨーロッパにもそれに匹敵する失われたロマーンがあるはずだ」と根拠もなく食い下がる学生。