1996年4月に発表されたAPS「アドバンスドフォトシステム」は、ワンタッチフィルム装填、三種類のプリントタイプ、カートリッジ途中交換機能、インデックスプリント、磁気によるデータ記録(IX情報)など、銀塩フィルムがデジタルに対抗するために生み出された新しい企画だ。
この企画に応じて、CANONから発売されたのはコンパクトカメラの「IXY」。現在、同社の小型デジカメのブランドとなってしまったが、もともとはAPSを意味する「IX240規格」から生まれたネーミングなのだ。1996年5月にIXYを買ったころから、とにかく写真を撮ることが多くなった。大部分はスナップなのだが、小型コンパクトなIXYを持ち歩くことが楽しかったこともあり、いろいろなところに持ち歩き、撮影した。
←オリジナルのIXY
APSフィルムの楽しさは、カートリッジがたまることにもある。あのへにゃへにゃした35ミリフィルムのスリーブをまとめて保存するのが苦手だったのだが、APSで撮影したフィルムカートリッジを写真一覧であるインデックスプリントのシートとともに保存するのは、ずいぶん楽しい作業だった。

↑APSフィルムカートリッジのホルダー。左にあるのがインデックスプリント。
つづけて、APS一眼レフの「EOS IXe」を購入。このカメラではほんとうにいろいろなものを撮影した。三脚(カーボン製だけど)を担いであちこち旅行していた。ほかにもAPS防水カメラ、すごく小さいAPSカメラなど、APSカメラだけで10台くらい買っていた。当時はクラシックカメラのブームだったのだが、そんなこと、おかまいなしに一途にAPSで遊んでいた。
←EOS IEe
結果的にデジカメやカメラつき携帯電話にAPSは放逐された。CANONやNikonのカタログからは消え、ここ3年、どこからも新製品は発売されなくなってしまった。NIKONの一眼レフAPS「プロネアS」のカタログにある「カメラの未来を予感させる新しいカタチ」というフレーズがせつなく寂しい。APS一眼レフというカメラの形に未来があるとは思えない。35ミリにしてもコンパクトカメラの新製品がほとんどないいまだから、仕方ないんだろうね。規格そのものの立ち上げが5年、遅かったのだろうね。
ぼくの1996年から始まったAPSカメラ道楽も1999年にソニーのデジカメ「Cybershot」を買ったことで終焉を迎えた。以来、APSで撮影することはなくなった。「EOS IXe」のために買った交換レンズもデジタル一眼レフで使っている。
我が家には120本くらいのAPSカートリッジがある。これをぜんぶデジタル化しなければと、去年あたりからフィルムスキャナ「COOLSCAN V」を使って、入力している。6コマ単位でしかスリーブを載せられない35ミリフィルムにくらべて、40枚一気に操作できるAPSは非常に効率がいい。
もちろん、スキャンの際は一枚ずつ色調をチェックしなければいけないし、それなりに手間もかかるのだが、プチプチと単純作業をやりたいときなど、いい気分転換になる。
ときどきでてくる、痩せていたころの自分の写真を見て、うなったりもするんだけどね。