【日常】***×3
昨日の日記では、ホワイトバンドはいかがわしいと書いたが、だからといって、それを装着するなとか、売るなとか、いう気はさらさらない。
山手線の5ドア車両といえば、3人がけの座席だ。
池袋から新宿に向かう山手線で目の前に座る3人を見ると、3人ともホワイトバンドをつけている。
左にいる20代後半の男性は、任天堂のTシャツを着ているマニア系。
中央にいる20代前半の女性はヴィヴィアン・ウェストウッドぽいモノトーンなファッション。
右にいる30代の男性は、細身のスーツ姿。
まるでベクトルのちがう三人ともが、ホワイトバンドをつけているのだ。真ん中のヴィヴィアン女性は2本も着けている。
なんだか無意味なジャックポット。
新宿紀伊国屋書店の店先ではさまざまな本とならんで、ホワイトバンドを売っていた。
それを売っている販売員の中年男性に向かって、のっぽくんがあれこれ、いっている。
「このバンドの利益はなんに使われるんですか」
「このバンドの卸はどこですか」
「このバンドの収益はアフリカの飢えた子供に行くんですか」
そのたびに販売員は一応きちんと答える。
すぐそばで、ホワイトバンドを手に取り、買おうとした初老の女性に対して、のっぽくんが声をかける。
「知ってますか。このバンドのお金は団体の運動資金に使われても、アフリカには届かないんですよ」
のっぽくんのやってることは単なる営業妨害だ。ホワイトバンドは胡散臭いが、答えを知った上で、粘着しているのっぽくんもうっとおしい。
ホワイトバンドくらい普通に売らせてやれよ。
個人的にはいろいろな思いがあって、「完全自殺マニュアル」なんて本の存在を許す気にはならないのだが、だからといって、書店にこの本を置くなという弾圧運動が、もし起こったとしたら、その弾圧運動には反対する。
考えが単純化して多様性がなくなることが、いちばんいやなのだ。
自分がほかのだれかに対して「やめろ!」と強いるのは、ほかのだれかから自分が「やめろ!」と強いられることと同じなのだから。
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