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【映画2005】ピータージャクソンの「キング・コング」

ワーナーマイカルシネマズ板橋THX8番スクリーンにてSRD鑑賞。

圧倒的である。泣ける。笑える。暴力がある。詩情がある。興奮がある。恐怖がある。グロテスクがある。荘厳な美がある。21世紀を代表する「映画」である。

「美女が野獣を殺したのだ!」という最後のセリフは、1933年の映画第一作からだが、なぜ野獣が美女に殺されたのか、美女と野獣のあいだにどのような交流があったのかを、鮮やかに描いている。

ジョン・ギラーミン監督の1976年版のキングコングは野獣というより、存在そのものが人間の劣化コピーで、単にきれいなおねーちゃん好きの粗暴な親父という印象があったし、オリジナルの1933年版にしても、どこか人の感情を引きずったキングコングだった。

だが、21世紀のキングコングは圧倒的に野獣! 野生の獣! 人間相手にはとりつくしまもないただの動物だ。原語によるコミュニケーションなんて、もちろんとれない。その野獣と、美女との情感豊かなコミュニケーションを、映画ならではの説得力で、雄弁に描いているのだ。

オリジナル映画の制作年とまったく等しい、1933年を舞台にしたことが、ドラマの説得力になっている。大恐慌時代の末期でなければ、身長20メートル前後のキングコングと戦うこと自体が茶番となる。舞台を"現代"に設定したギラーミン版では、世界貿易センタービルの二本のタワーにまたがり、ジェット戦闘機をわしづかみにするキングコングのポスターが使われたものだが、実際には小さなからだで、戦闘機ではなく、ヘリコプターと戦うキングコングを見て、「だまされた」と思ったのは中学生のおれだった。

なによりも1933年という時代が、異世界をうむ機関として有効に働いているのだ。そして、スカルアイランド! もうスカルアイランド最高! ナオミ・ワッツが救出されるあたりでは、え! もうスカルアイランド終わっちゃうの!! もっともっとこの島にいて、虫とか、恐竜とか、巨大ヒルとかコウモリとか、ムカデとか見ていたいと思っちゃったよ。スカルアイランドがミドルアースに感じられちゃったよ。

船のシーンでの人間模様が絶妙にうまい。エイドリアン・ブロディ演じる脚本家が、動物の折の中でキーボードを打つシーンなど、メタファーの効き方が絶妙!

ジャック・ブラックを主人公の一人にすえたのはうまいなぁ。かなりの怪演にキング・コングではなく、ジャック・ブラックの方がCGかと思ったといったら、うそなんだけどね。

ピーター・ジャクソンってこんなに女優をきれいに取れる監督だったけ? と思うくらい、コングとの出会いを通して、ナオミ・ワッツが輝いてくる。

「あいつは、大好きなものを壊していくんだ」など、示唆にとんだスクリプトが美しい。

見終わって、すぐにもう一回見たくなる映画だったよ。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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