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【映画2006】ウルトラヴァイオレット

 ワーナーマイカルシネマズ板橋7番スクリーンにて、SRD鑑賞。

 いまどきのハリウッド映画にしては最低のシナリオで、たまげまくる。

 ちょっと変わった映画の設定だとか、独特の世界観だとか、まぁ、いろんなことがあるのだけれど、導入部分が雑であり、その設定の例外や世界観の特例がさきに登場するから、「この世界における普通ってなにさ」、「どうして、彼女はあんなに強いの?」といったことが、さーーーっぱり、わからない。

 字幕ではファージ、原語ではヴァンパイアといっている。これってつまり未来のヴァンパイア映画なのだ。

 主人公のヴァイオレットもファージ(=ヴァンパイア)なのだが、彼女に「おまえは日中でも活動できるから」なんていわれてはじめて、「えええ! ファージって、日中は動けない存在だったの!」とはじめて知る次第。だって、それまで、お日さま、きらきらの中、思いっきり元気なヴァイオレットが、殺戮の限りを尽くしているんだよ。逆にファージが日中、動けなくなるようなシーンはないし……。

 人類は兵士を生物兵器と化すためにあるウィルスを注入。たしかに強化兵士はできたのだが、そのかわりに恐るべき感染力のウィルスは世界に蔓延してしまった。わずかな血を浴びるだけでも観戦する。駆除の対象となった新人類は「ファージ」と呼ばれるが、わずか12年の寿命しかもてなかったのだ。

 ていうか、この12年の寿命のところは、公式サイトを見てはじめて分かったよ。それでヴァイオレットはときどき、苦しそうにしていたのか。そういう説明だとか、それをもとにしたプロットの展開とか、映画の中に一切ありません。

 かつて感染してファージとなったヴァイオレットは、胎児を中絶させられる。その悲しい体験から、生物兵器となる抗体のキャリアである少年を守るため、ファージの仲間からも離れ、孤独な戦いをするのだけれど、うーーん。映画として成り立つだけの世界の説明がきちんとなされていないから、彼女に感情移入ができないんだよね。

 ではアクションシーンがすごいかといえば、アクションシーンの3つに2つくらいが、同じパターンなのだ。銃を手にした兵士が同心円状に360度、ヴァイオレットを囲む。絶体絶命になったと思ったら、わずか10秒で解決。

 これには、ヴァリエーションがあり、あるときは研究所で囲まれ10秒で解決、あるときは路上で囲まれ10秒で解決、あるときは屋上で囲まれ10秒で解決、あるときは中国人に囲まれ10秒で解決、あるときはファージ仲間に囲まれ10秒で解決、あるときは700人に囲まれ10秒で解決。もうほんとうに、こればっかり。やりすぎ。げっぷ。こりごり。かんべんしてくれ。

 むかし、スティーブン・セガールの「沈黙」シリーズを見たときは、「セガール、問答無用に強すぎて、映画にならねぇ」なんていっていたのだが、ミラ・ジョヴォヴィッチはその比ではない。強すぎです。銃がなくなっても両手首には四次元ポケットみたいなものを装備しており、そこから、銃やら、剣やら、好きなだけ取りだせてしまう。

 シーンとシーンのつながりも悪い。ビルの中にいて、ビル全体を敵の兵士が制圧しているところに、着信。「10分でいくわ」と相手に答えて、いったいどんな脱出劇が見られるのかと思っていると、つぎのシーンでは、ちがうビルのエレベータに乗っている。

 どうなってるの?

 また、ウルトラヴァイオレットの髪の毛が紫になったり、黒くなったり、服が白くなったり、赤くなったり、黒くなったり、ちょろちょろ変わるんですけど、どうなったとき、どういうつもりで変わるのか、さっぱりわからない。空中元素固定装置ですか。ハニーフラッシュですか。いまだに謎である。

 この監督の前作「リベリオン」では、なんちゃって「マトリックス」なアクションをガン=カタとして、披露したカート・ウィマー監督だが、その発展系のアクション映画なのだろう。しかし、銃と剣を組み合わせたアクションが映像作家に鬼門であることは「MUSASHI-GUN道-」をみても明らかだろう。ガン=カタとGUN道はよく似ている。

 3000万ドルの予算の映画で、アメリカでは1850万ドルの興収。Rotten Tomatoのトマトメーターでは10%という瀕死の状態。

 IMDBの記述によれば、初号フィルムを評価しなかったスタジオが、フィルムを監督から取り上げ、再編集したようだ。それでつながりが悪かったのか。では、再編集前のフィルムはどうだったのかが、気になるかといえば、わりとどうでもいいんだよね。

 ミラはひとりでよくがんばっていたんだけど……。まぁ、彼女の腹だけがこの映画の見どころだろう。


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