【映画2006】プラダを着た悪魔
ワーナーマイカルシネマズ板橋6番スクリーンでSRD鑑賞。
スクリプトもいいし、字幕もいいと思っていたら、やはり字幕担当は松浦美奈だった。
おれが20代の女の子のころだったら、ひたすらに興奮しまくっていただろう。そんな「ころ」はないのだけれど……。
「娘のためにハリー・ポッターの発売前の原稿をおさえてちょうだい」とか、ハリケーンで空港が閉鎖されているなか、「フロリダからニューヨークへの飛行機を押さえろ」と命じる意地悪な女性編集長。
編集長のことばに右往左往する彼女をフォローしてくれるファッション担当の男性スタッフ。
田舎の大学をでて化繊のダサい服をしていた主人公が「VOGUE」誌をモデルにした会社のなかで、美しく変身。仕事の場で能力を開花させていく。
物語の構図はしっかりとしたシンデレラ・ストーリーだ。カボチャの馬車やガラスの靴のかわりに、一流ファッションなのだけれどね。
色彩あふれる映像もすばらしく、撮影のセンスもいい。「セックス・アンド・ザ・シティ」出身の監督だけに街と女を写す感覚もいい。
マドンナの"VOGUE"が流れる中、ニューヨークの街角で、最新のモードを多様に着替えていくアン・ハサウェイは、すばらしく魅力的で、魔法的な空間だ。
音楽の勘所も絶妙で、サクセスストーリーとしてのカタルシスもある。
シャイだけれど、負けず嫌いという主人公のキャラクター作りもうまい。ファッションという巨大産業にまつわるグロテスクな部分もうまくカモフラージュしている。
アン・ハサウェイの変身ぶりもなるほど、気持ちよくはまっているし、「Havoc(未公開)」や「ブロークバック・マウンテン」の"体当たり演技(でも、あんまりセクシーじゃない)"で、プリンセスイメージからの脱皮を図るアン・ハサウェイは、結局「プリティ・プリンセス」といっしょじゃないかという枠にもどってきて、大成功だし、悪魔編集長役のメリル・ストリープは、もう圧倒的な存在感で、この「ファンタジー」に説得力をあたえている。
これだけよくできた映画だと、たとえ男でも気持ちよく楽しめる。「ファッション雑誌そのまんまのスタイルで、ふつうに編集アシスタントの仕事をしているなんて、ありえねぇよ」とも思うのだが、東武練馬に住むおれにとって、ああいう世界はミドルアースとおんなじくらいの距離感だから、とくに気にならない。どっちもファンタジー。
You sold your soul to the devil when you put on your first pair of Jimmy Choo's!
とかいわれても、ジミー・チューなんて、ほんとに縁がないもんなぁ。
現実の同世代の女の子はもっといろんなことを考えて、ぐるぐるしているんだろうけれど、それをここまでシンプルにして、ダイナミックにのしあがっていく話は小気味よかった。
結末のあたりは、「仕事ってそういうものなの?」という疑問も浮かぶのだけれど、たぶん、そういうものなんだろうね。
六本木あたり見るデートムービーとして、きちんとした商品になっていました。そういう女子にとっての「ラブ・アンド・ベリー」的作品だ。
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