【日常】風邪と夢
風邪をひいた。風邪とはいってもインフルエンザとは違い、つまる鼻といがらっぽい喉、うっすらの熱の中途半端さがかえって面倒だ。
鼻炎薬とエキナセア・ゴールデンシール、ビタミンC、亜鉛をとって寝たり起きたり……。
エキナセアというのは、ネイティブ・アメリカンが使っていたという免疫力強化、抗感染作用効果の民間薬で、アメリカやドイツではよく使われているというもの。アメリカのドラッグストアで買っていた。
ずるずるとでていた鼻水が、鼻炎薬でちからづくでねじ伏せられる感覚は気持ちがいい。鼻の奥から目頭あたりで、ガツンと聞いている感覚がいい。
風邪を引いていると、へんてこな夢を見る。へんてこな夢だから、読まなくてもいいです。
マイミクの人にそそのかされて、素人オーケストラに出ることになった。楽器はなにがやれますかといわれたので、「むかし鼓笛隊でやった中太鼓なら……」と答えたら、ほんとに中太鼓をやることになってしまった。
だいたいオーケストラに中太鼓という名前のパートがあるというのもおかしな話なのだが、そこは夢である。いい加減なのだ。
演奏するのはドヴォルザークの「新世界から」と、バーンスタインの「大脱走マーチ」になり、その曲なら、鼓笛隊時代にやった覚えがあるから、なんとかなりそうだと、胸をなでおろしていた。
しかし、前夜になって、着る服をあわせていたときに、ふと不安になる。そういえば、中太鼓はきちんと用意してくれるのだろうか。
通常、ピアノを会場に持参するピアニストはいないだろう。パイプオルガンも持参できまい。だが、バイオリンやチェロはマイ・バイオリンやチェロを持っていくものである。
じゃあ、中太鼓はどうするんだ? おれが持っていかなきゃいけないのか。パイプオルガンからピッコロまでの幅の中で、中太鼓はどこに位置するのだ。持っていくもののなのか、会場にあるのを使わせてもらうものなのか。夢あたまの中でさっぱりわからなくなった。
ていうか、中太鼓はどこで売っているんだ。中太鼓って楽器屋に行って、「中太鼓ください」といえば、売ってくれるのか。中太鼓ってマヌケな名前じゃなくて、なんとかドラムって言い方があるのか。トムトムだか、タムタムだかとちがうのか。
人生でたった2曲しか使わない中太鼓をわざわざ買うのはばからしい。おれが買っていくのか。だれか、貸してくれないか。なんてことをばたばたやっていたら、だれかが持っているドラムセットをばらして貸してくれることになって、一件落着。
やれやれと思って、会場に行くと、指揮者から「トライアングルは持ってきたか」といわれる。連絡がもれていたようだが、おれはどうやら中太鼓兼トライアングル奏者だったのだ。
トライアングルなんて、どこに売っているのだ……(以下省略)。
学校で体操服を忘れたり、教科書を忘れたり、この手の夢はいまだに見る。なんだか、人生で悔しい経験でもあったのだろうか。
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