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【映画2007】サンシャイン2057

 ワーナーマイカルシネマズ板橋6番スクリーンにてSRD鑑賞。

 活動が弱くなった太陽を再生するために、マンハッタン島ほどの核兵器を打ち込みにいく宇宙船映画だ。

 「2001年宇宙の旅」以来、SF映画であることを示すのに年号を入れるのは、映画業界のお約束だ。これも原題の「Sunshine」に「2057」を足して「サンシャイン2057」にしている。

 ただ、同じように太陽救出爆弾特攻映画「クライシス2050」と素敵な前例があった。学研とNHKエンタープライズが70億の巨費をかけ、ハリウッドにだまされて、すっからかんになった映画だった。アメリカでは有名なアラン・スミシーが監督している。


 「そのタイトルはやめたほうがいいよ」とこっそり思っていた。なんだか、「クライシス2050」のリメイクみたいだ。ゾンビ映画のなかでも破滅テーマに焦点を当てた「28日後」が素敵だったピーター・ボイル監督だけに、タイトルでB級にされちゃうよと危惧していた。

 いやな予感をさせるタイトルだったけれど、作品はすばらしいものだ。

 シチュエーションとして、SFの古典「冷たい方程式」にならうような、連立方程式映画となっている。「2001年宇宙の旅」、「サイレント・ランニング」、「エイリアン」、「スペースバンパイア」、「イベント・ホライズン」など、この手のジャンルの映画からの引用は数多い。そして、すべてがダニー・ボイルの方程式で料理されている。

 太陽に核爆弾を打ち込むことでカンフル剤になる理由というのは見えにくい。

 ほぼ成功が見えていたプロジェクトが壊滅の危機に瀕することになるヒューマン・エラーは、かなり強引だ。

 「2001年宇宙の旅」ばりに宇宙服なしで船外に出るシーンはいいが、伝導や対流がなく放射でしか熱を伝えられない宇宙空間で、完全に凍りついた腕が液体窒素漬けの金魚をハンマーで割るように粉々になったりするのは、映画的デフォルメとしてかなりきわどいところだ。

 それでもこの映画で描写される鋭く、重く、圧倒的、かつ、ハイコントラストな緊張感はすばらしく、酸欠になるか、過呼吸になるかの体験だった。

 くそまずいけれど、やたらとサービスがマメで愛想がいいニューウェーブ・ラーメン店のような日本映画に慣れている人ならあっけにとられるようなサービス精神のなさがいい。「太陽はすごいんだから、甘ったれるな」というきつさがある。

 ダニー・ボイルの映画には人を狂気にもたらすモチーフが明示的に示されることが多い。一瞬のうちに生命を奪う太陽の狂熱が、絶対的な存在となっている。

 太陽にむかう宇宙船の名がイカロスというのは、あまりにわかりやすすぎるアイロニーだが、死と生命をつかさどる太陽が狂気をもたらすさまは強烈で、目をそむけることができなかった。

 かなり強引にさまざまな要素を詰めこんでいるけれど、破綻はなく、ダニー・ボイルという映画達者のあふれる能力に酔いしれたよ。

  

※こちらのエントリーもどうぞ。

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