【舞台・観劇】ギンギラ太陽’s
昼過ぎに門司港。容赦ない太陽の光は、門司港レトロの建築物を高コントラストに焼き上げる。むちゃくちゃ暑いかと思って、覚悟していたのだが、心地よい風が吹いているので、日陰に入れば、気持ちよく過ごせる。この時期ならば、東京よりしのぎやすいかもしれない。
門司港からJR九州で福岡市に移動。博多駅からキャナルシティへ。
ギンギラ太陽’sの作品には「人間」は一切出てきません。「建物」や「乗り物」を始めとした「モノ」を擬人化することで物語は綴られます。ギンギラ太陽’sでは役者は「かぶりモノ」を被り、一人何役もの役を「かぶりモノ」と衣装を歌舞伎さながら早変わりで演じていきます。 「かぶりモノ」とくればコント的と思われがちですが、ギンギラ太陽’sの特徴は大塚ムネトの徹底した地元取材と、その情報源に基づいて描かれた脚本です。 劇団の代表作である「天神開拓史」「翼をくださいっ!」はいずれも地元福岡の現在と過去を写しだした作品として、笑いとともに史実に基づく描写が客席に感動をもたらしてくれました。まさに人間が登場しないヒューマンドラマとして、独自な表現を舞台で行っています。
そんな劇団「ギンギラ太陽's」の女優でマイミクの立石義江さんから、帰省時期にキャナルシティで「ギンギラ」のイベントをやっているとうかがったのだ。
イベントは午後7時からだが、センターステージ前の折りたたみ椅子は、すでにほとんど埋まっている。30代くらいのバカ女がちょっとでもよさそうな席が空くたびに荷物を移動させで席取りしているのがうざい。ひとりで6席くらい押さえていたが、最終的なメンバーは4人である。ちょっとやりすぎだ。
こちらも席を確保して、横に座った老夫婦とおしゃべりをする。二人とも「ギンギラ」イベントと知ってそこに座っているわけではなく、噴水と花火のショーが午後8時ごろからあるので、それが目当てだったようだ。
「ギンギラ」というのは、こういう劇団で……と説明しつつ、自分は東京に住んでいるんだけれど、友人が出るのでここに来ました……などと話をする。
「わざわざ、東京からお付き合いもたいへんですね」
「お付き合いというより、自分がこの劇団のイベントを見たいので、きたんですよ」
そんなこんなで、センターステージ付近は大勢の人が集まってきた。まずは、キャナルシティ名物の噴水ショーである。ここの噴水はラスベガスのBellagioの噴水と同じ会社が作ったものだ。

小気味よい噴水を見たあとは、いよいよギンギラの登場。今回は屋外でのイベントなので、写真もとれたりする。まず、登場したのは西鉄バス軍団。福岡市の目抜き通りを我が物顔で走り回る西鉄バスたちが、観客席を我が物顔で蹂躙する。
さらに、キャナルシティ、三越、大丸、岩田屋……といった、福岡市内のデパート、商業施設がつぎつぎと登場。

最近、福岡の商業地区、天神の中心地は、北から南へと移動しているのだが、その栄枯盛衰を擬人化されたデパートたちが、語り合っていく。

ぼくの隣に座った老夫婦も「あれが博多駅かね」、「エル・ガーラとか、よくできとぉね」などと、楽しそうに話している。

内容は福岡にいた人なら、全員がわかることだ。これが新宿デパート戦争をテーマにして、東京でやったのでは、ここまで地元の老若男女に通じるおもしろみには、ならないかもしれない。
福岡規模なら、みんな知っていることでも、都市の核が多様にある東京だと、ピンと来る人、こない人がぞれぞれにいて、ここまでの「みんな知ってる」一体感を作れないことだろう。

「あのひとやら、テレビにでよるひとじゃなかね」みたいなことを、きかれたのだが、さすがに、福岡ローカルの話題はわかりません。

最後にズラリと勢ぞろい。今回は既存の脚本をダイジェストしたような30分だったが、福岡の人に愛される劇団としての魅力をきちんとつめこんだ内容で、とても楽しめました。
そのあとは、山本耕一さんと合流。春吉に新しくできた飲食街でホルモン焼きを食い、焼酎バーで飲む。
カウンターで同席した地元フリーペーパー会社の女性といろいろ話をしていたのだが、月最大で3万2千円の保育料がチャラになるシングルマザー補助を取るため、最近は、同居しているのに、籍を抜く夫婦が増えているという話をきき、うんざり気分になる。
なんだかなぁ。
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