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【映画2008】AVP2 エイリアンズVS. プレデター

 ワーナーマイカルシネマズ板橋9番スクリーンにてSRD鑑賞。

 エイリアンとプレデターが戦うという無茶な話を、それなりに納得のいく設定でまとめ、エイリアン側にも、プレデター側にも、見せ場を作った前作は、非常によくできていた。ああ、おれは好きな作品だよ。

 さて、その続編だ。時系列的には前作の直後、うっかりプレデターさんの失敗で、せっかく地球を飛び立った宇宙船が、ふたたびコロラドの田舎町に不時着してしまう。宇宙船にはエイリアンが満載だ。今回のエイリアンは覚悟がちがう。いきなりフェイスハガーでいたいけな少年にとりつくという、映画の仁義をかなぐりすてる掟破りをする。そのエイリアンもプレデターの形質を受け継いだエイリアン→プレデリアンと化している。

 地球の人里に飛来した初のエイリアンである。未来において、リプリーは地球への侵攻を命がけで食いとめたというのに、こんな現代の田舎町でエイリアンが、縦横無尽に暴れまわるなんて!

 さらにプレデターの母星からは、エイリアンを殲滅するため、究極のプレデターが飛来する。

 おお、ネタが豊富だな。

 一方、グレイハウンドバスから町に帰ってきた男は、錠前破りの前科者だ。その弟は、いじめられっ子なんだけど、乳デカ美少女になぜか、好かれていて、さらに帰ってきたのは、軍人の母親で……。

 って、ネタが豊富なんてレベルじゃねぇぞ。あきらかに要素が多すぎだ。

 しかも、前半ではそれぞれの人間ドラマにそれなりの時間を費やしているし……。いったい、この映画がなにをやりたいのかが、わからなくなったあたりから、エイリアンが大増殖。ネズミ算式に増えていき、町中が大騒ぎさ。

 エイリアンで初の普通の自然や町の中での登場となるのだが、これがもう圧倒的にミスマッチ。借りてきた猫ならぬ、借りてきたエイリアンという風情だ。エイリアンはやはり、ノストロモ号など、SF的空間にいなければ、似合わない。前作で登場した超古代遺跡も、絶妙にうまい舞台だった。ロッキー山脈の森林で動き回るエイリアンって、相当まぬけだ。しかも監督にそれを納得させるだけの映像的プロファイルがないから、むちゃの自乗になっている。

 とりあえず、フェイスハガーから、チェストバスターそして、本体という、エイリアン三段活用は守っているけれど、エイリアンらしいのはそれくらいだ。べつにエイリアンじゃなくて、殺人ウサギの大群か何かでもかまわないんじゃないか。

 一方のプレデターがどれくらい活躍するかといえば、とりあえず、動きまわってはいる。ただ、たったひとりで、山から町へかけめぐり、うじゃうじゃとわいたエイリアンを、プチプチとつぶしていくものだから、増殖スピードにかなうはずもない。

 プレデターの若い衆の失敗の火消し役をやっているつもりだろうが、盛大な山火事になっているのに、バケツの水をひとりでまいているだけだね。

 戦術的戦闘能力はあるみたいだけど、戦略的視点が抜け落ちているから、後手後手に回るばかり。しかも先頭のパターンは暗視ビジョンでぐちゃぐちゃ見て、肩のミサイルで撃破するという、同じことのくりかえしで、かっこいい見せ場があまりない。最後まで、見終わったところで、「結局、なんのために地球にきたの?」と、問いつめたくなる。

 しかもプレデリアンが、中途半端にプレデターに似ているから、暗い画面の中で映画的サスペンスとはまるっきり無縁な混乱を呼ぶ。ああ、もうどっちがどっちだかわからねぇよ。せっかく別のキャラクターで、視覚的にも個性あふれる対決になっていたのにわざわざ似せてどうするんだ?

 レゲエ髪のプレデリアンは、あんまり強そうじゃないし……。

 一方、前半でエピソードをばらまいていた人間キャラクターたちは、あふれるばかりの伏線もどきがありながら、まるっきり回収しないという割りきりぶり。ああ、きっと脚本は8時間分くらいあったんだろう。後半はぜんぶダイジェストしたのかもね。もしロングバージョンがあったとしても見たくはないけど。

 バイキング料理で、ひとつの皿になんでもかんでもてんこ盛りにしたような作品。味が混じって、単調なくせに、量だけはある。おれなら、欲ばらずにひとつずつ片付けていきなさいとアドバイスするね。


※こちらのエントリーもどうぞ。

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