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【映画2008】L change the worLd

 ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋8番THXスクリーンにてSRD鑑賞。

 映画「デスノート」2編からのスピンオフとして、Lというキャラクターを引き継いだ作品だ。時系列的には多少重なるものの「デスノート the Last name」の直後からドラマが始まる。

 ただ、「デスノート」から松山ケンイチ演じるLというキャラクターは引き継いだものの、「デスノート」を成立せしめる世界観をうまく引き継いでいるとは言えず、Lが別次元に飛ばされたような印象さえ受ける。

 「アンドロメダ…」、「アウトブレイク」などを嚆矢とするバイオハザード映画なのだが、「殺人ウィルス」は「ワクチン」とセットで、「ウィルス兵器」として有効になるという映画的仕掛けはきちんと仕組まれているものの、キャリアと発症、潜伏期間などについて、あきれるほどのご都合主義が展開される。だいたい、自己増殖ができないウィルスは人間の代謝速度を上回る増殖はできない(このあたりの発想のベースには間違いもふくめて浦沢直樹の漫画「20世紀少年」があるのではないか)のに、感染後、数分から1週間まで、シナリオ的都合に合わせて、発症から致死が自由自在っていうのはどうよ……。

 また、FBIエージェントとして登場する南原清隆は、この映画にあるべきリアリティをぶち壊しにしている。もちろん、FBIが日本で捜査活動をするのはおかしいなんて、了見の狭いことをいうつもりは一切ない。それは「デスノート」シリーズから引き継いだ設定上の宿痾だからだ。映画には現実とちがったリアリティがあってもいい。だが、南原清隆は日本人コメディアンの色が消せず、FBIらしさをきちんと演出することもなく、「デスノート」世界でのリアリティを壊していた。キャスティング上の要請で安直に出したとしか思えない。

 さらにいえば、冒頭は前作からの引継ぎに手間取りすぎている。映画が始まるまで時間をかけすぎだ。瀬戸朝香のアメリカでの活躍など、必要ないだろう。

 また、ドラマ上の大きな難点のひとつは、"L"の存在抜きでも事件が解決できるということだ。前作から引き継いだデスノートによるLの死へのカウントダウンが、設定上、もっと有効に働くかと思っていたが、単純にしか使っていなかった。

 じゃあ、つまらない映画かといえば、そんなことはない。

 なによりも福田麻由子がすばらしい。メリハリのつきすぎた芝居だけれど、この作品世界の中では、それも自然な説得力となっている。前2作の金子修介監督のよこしまな視線もよかったけれど、中田秀夫監督の好む凛とした女の姿にきちんとはまっている。

 さらに松山ケンイチのたたずまいもすばらしい。自身の寿命への理詰めな対応や静かなる正義感など、前述のように世界観の引継ぎに失敗した作品の中で、キャラクターの引継ぎはきちんとなされており、漫画原作へのリスペクトもあるクライマックスでは感動を呼ぶ。

 いまどきのアイドル映画として、及第点をあげてもいいだろう。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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