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【映画2009】セブンティーン・アゲイン

 ワーナーマイカルシネマズ板橋11番スクリーンにてSRD鑑賞。

 だって、中年が十代に若返っちゃうんだよ。「40歳の童貞男」同様な男性向けコメディ映画かと侮っていたが、そんなことはない。じつはお父さんが好きな"少女"たちに向けたよくできたラブストーリーであった。(この"少女"の範囲は広い)


 だれしも自分がもっとも輝いた若きあの日、人生に関わる大きな決断を下したあのタイミングに戻りたいと思ったことはあるだろう。「バタフライ・エフェクト」のように、過去のタイムラインに実際に戻って、何度もやり直す映画はあったが、「17アゲイン」は、三十代半ばの人生にくたびれた男が肉体のみが17歳に若返り、現代の高校生活をやり直すという映画だ。

 積み重ねてきた経験と知識と、健康で若い肉体、かつてのハンサムな顔が合体したわけで、これほど強力なことはない。おれなら、やりたい放題やっちゃうよ。

 しかし、若返った彼が編入したのは、疎遠になりつつある思春期の息子と娘が通う学校。息子はいじめにあい、娘はバカと付き合っている。さらに離婚調停中の妻が気にかかる。教師がコンドームを配布し、セーフセックスを説いている教室で、「結婚するまでセックスはダメだ」と、説いちゃうわけだから、きちんとしてるよなぁ。女子高生にどんなにもてても、火遊びをしない。

 軸足がしっかり家族を向いているのだ。設定の時間軸はずれているものの、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と、近い構造とみていい。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の場合は、自分の出現によって危うくなった両親の結婚を修復する話だったが、こちらは自分自身の結婚を修復する話になっている。

 「ハイスクール・ミュージカル」人気で注目されているザック・エフロンが主演しているということで、あまり下品な方向に行くわけもないのだが……。IMDbProのレーティング分析を見ても男性よりも女性層に受けがいい。

     

 積み重ねてきた経験と知識を活用するシーンもちょっとだけあるのだが、それよりも愛と結婚のスタート地点を確認する意味で「若返り」が使われている。結局、大人になるってことは、知識とか経験よりも、愛するもの、愛したいものが増えることってことだと感じさせてくれる作品だ。

 主人公の親友が、ソフト開発でひとやま当てたマニアで、「スター・ウォーズ」、「スター・トレック」、「ロード・オブ・ザ・リング」のネタがたっぷりでてくる。

 ただ、ランドスピーダー型のベッドで、バルカン人の耳をつけ、エルフ語で語るようなごった煮ぶりで、「ありえねぇ」とか思ってしまう。世界観ごと楽しむマニアはそんな下品なことはしない。ただ、映画のターゲットを"少女"の見る善意のオタク像として考えると、まあ、しょうがないところか。それぞれの作品のわかりやすい引用や、薀蓄もある。クルマのナンバープレートまで、よく作っている。そのあたりがお好きな人は、楽しめるかもしれない。

 "少年"には物足りない映画ところもあるけど、デートムービーにはいいだろう。

監督:バー・スティアーズ 脚本:ジェイソン・フィラルディ 製作:アダム・シャンクマン/ジェニファー・ギブゴット 製作総指揮:トビー・エメリッヒ/マーク・カウフマン/キース・ゴールドバーグ/ジェイソン・バレット 撮影:ティム・サーステッド 美術:ギャレス・ストーバー 編集:パトレイクク・マッキンリー 衣装:パメラ・ウィザース=チルトン 音楽:ロルフ・ケント 
キャスト ザック・エフロン レスリー・マン トーマス・レノン ミシェル・トラクテンバーグ マシュー・ペリー 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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