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【映画2009】GOEMON

 ワーナーマイカルシネマズ板橋8番THXスクリーンにてSRD鑑賞。

 江口洋介でアクション映画というのを聴いて、あんちゃん、大丈夫かと思ったが、意外なくらいにはまっていた。そこはOK。でもOKなのは、そこだけ。

 映画としては困ったものだ。とにかく脚本をどうにかしてほしかった。前作「CASSHERN」のときは、そんなつまらない説教はいらないから、キックだとか、アタックだとか、電光パンチだとかをもっと見せてくれという感じだった。今回は説教の入れ方はうまくなり、めだちにくくなったが、分量的には同じくらいの説教が満遍なく散りばめられている。

 石川五右衛門は自由のために大泥棒になったというのは、霧隠才蔵や豊臣秀吉だが、五右衛門本人は「おらあ、自由のために宮仕えさやめて、大泥棒さなるだ」みたいなセリフもいわない自由に生きることが、なぜ、泥棒になって屋根から金貨をばらまくことになるのだろう?

 映画の中では自由のためというより、初恋の茶々がいなくなったことに加え、主君である織田信長が殺されたことをきっかけに野に下った程度しか、描かれていない。 それは自由というより、行き当たりばったりというしかない。

 アバンタイトルで、明智光秀の遺産から「パンドラの箱」を盗み出したことから、これがマクガフィンになるかと思っていたら、その謎は冒頭30分くらいであっけなく解けてしまう。 「パンドラの箱」とかもったいぶっていってたくせに、そんなものかよ。

 では、映画の目的はなにかといったら、なんとなく悪い豊臣秀吉をなんとなくやっつけることくらいでしかない。

 映画における石川五右衛門のキャラクターや存在理由と、映画のゴールとが、まるっきりリンクしていないのだ。挙句の果てに、「戦争を終わらせるための戦とかいって、全然戦争が終わらないじゃないか」とか、いいながら、また、新たな戦争のタネを生み出す石川五右衛門。おまえはいったいなにをしたいんだ?

 セリフが説明くさく、戦争、平和、友情、愛情、自由とかいうお題目が、調理も下ごしらえもされずに出てくる上、長セリフになると、とたんにカメラが死ぬから、ほんとに退屈してしまう。

 さらに豊臣秀吉のゾンビぶりにもげんなりする。なぜ、それで生き残るのか、まったく不明。山田風太郎作品にあるような呪いでもかかっているのかと思ったが、どうやら、化け物ではなかったらしい。

 さらに後半で「おまえの名前をいえ」と問い詰められる人物がいるのだが、そいつの正体がわかっているから、直前でそいつの家を襲い、そいつの妻を殺し、そいつの子供を拉致したんだろう? おまえら、みんなバカすぎです。

 ほかにもシナリオの混乱は山ほどあるが、きっと、紀里谷和明監督の脳内ストーリーではつながっているんだろうな。観客にはまるっきり意味がわからないけど。

    

 映像も60秒1800フレームの絵作りならよいのかもしれないが、それを2時間20分も見せられてもなぁ。長くみれば見るほど、ペラペラの書き割りの上に、要素としての役者を貼り付けているように感じた。 ごちゃごちゃした絵作りはしているが、映画として緊張感のある構図がとれていないから、絵が止まったらすべてぐだぐだである。

 クライマックスも「はじめ人間ギャートルズ」でゴンがマンモスの群れに突進するみたいにしか思えなかった。

 後半は「早く、宇多田ヒカルがエンディングを歌ってくれねーかな」とか思っていた。実際にはYOSHIKIという人が歌っていたのだが、宇多田ヒカルが歌っているのかと錯覚してしまったよ。

 いやはや似たタイプの絵作りCG映画なら、「300」のほうがはるかにバランスよかった。自由とかなんとかややこしいお題目をもてあますくらいなら、脚本の主張として「This is Sparta」とか「I am Spartan」で十分なのだ。

監督脚本編集・プロデューサー・原案撮影監督:紀里谷和明 プロデューサー:一瀬隆重 脚本:瀧田哲郎 編集:横山智佐子 照明:牛場賢二 装飾:西尾共未 VFXスーパーバイザー:野崎宏二 ヘアメーク:稲垣亮弐 
キャスト 江口洋介 大沢たかお 広末涼子 ゴリ 要潤 玉山鉄二 中村橋之助 寺島進 チェ・ホンマン 佐藤江梨子 戸田恵梨香 鶴田真由 りょう 藤澤恵麻 佐田真由美 福田麻由子 小日向文世 平幹二朗 伊武雅刀 奥田瑛二 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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