« 鉄路・トンコツ・ヴァリス | メイン | 南極料理人 »

【舞台・観劇】幻の戦闘機・震電 翼をくださいっ!外伝

 第二次世界大戦中の日本軍戦闘機の本を読んだり、ゲームをすると、目を引く特異な機体がある。

 うしろにプロペラ、前に小翼、まるで普通のプロペラ式戦闘機を逆にしたような形状のその機体は「震電」といわれ、高高度から日本を爆撃するB29迎撃の切り札として開発された。

 名前は知っていた程度の存在だ。その「震電」を制作したのが九州飛行機で、現在の福岡空港にあたる蓆田飛行場で、テスト飛行をしていたことは知らなかった。

 この舞台は福岡の劇団「ギンギラ太陽's」が九州生まれの戦闘機、震電に着想し、ヒット作「翼をくださいっ!」の世界に交差させた作品だ。

 すでにこの日記では何度か紹介しているが、「ギンギラ太陽's」は地方では驚異的な動員力を誇る劇団で、すでに渋谷PARCO劇場での東京地方公演なども成功させている。全員が被り物をするのが特徴で、飛行機、電車、バス、ビル、デパートなど、現実に存在するあらゆるものを擬人化して、表現している。

 東京では三度、見せてもらったし、福岡キャナルシティでのパフォーマンスなども見せてもらったが、やはりお膝元である福岡で、公演を見たかったのが、やっとかなった次第だ。

 現地取材をもとにディテールを織り込んだシナリオは、ていねいに作られている。戦争の道具である兵器を擬人化することで、過剰な悲惨さや反戦色、メッセージ性が濃厚になるわけではなく、21世紀の現代にも通じる「人の気持ち」とともに、皮肉な運命を背負った戦闘機の「気持ち」を表現している。

 スターフライヤー立ち上げと、YS11開発、福岡の航空史をテーマにしたヒット作「翼をくださいっ!」とは世界観と地続きにしている。キャラクターを共通化させたのは効果的で、途絶した過去ではなく、現代にも連綿とつながるわかりやすい技術絵巻として、よくまとまっている。

 飛行機や飛行場が口を聞くという幻想的な舞台から、普遍で不変の土地と人と技術の絆がみえてくる。

  

 みたひとは「震電」とそのバックストーリーをきちんと理解したものと思う。周囲の女性たちは口々に「泣けるね」などといっていたから、制作の意図はきちんと通じていたのだろう。

 シンプルな構成であるがゆえに、駆け足気味に「震電」を紹介したという印象もあるのだが、福岡に住む老若男女すべてのひとに、震電を生んだ時代と土地をきちんと伝えようという意思によるものなんだろうね。

 とてもいい時間でした。

※こちらのエントリーもどうぞ。

« 鉄路・トンコツ・ヴァリス | メイン | 南極料理人 »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントを投稿

ネットでラクラクチケット予約購入、e席リザーブでシックスワンダフリー

最近のエントリー

カウンターetc

人気ブログランキング - ゲームの王道 atom rss2.0
total カウンタ:today カウンタ:yesterday カウンタ

Pagerank/ページランク

人気記事ランキング

Google Adsense