【映画2009】沈まぬ太陽
ワーナーマイカルシネマズ板橋10番スクリーンにてSRD鑑賞。
休憩10分がはさまれる3時間22分という長尺の作品だが、長大な原作を映画化するにはそれでも足りなかったというのが正直なところ。とはいえ、最初から最後まで退屈することなく、楽しませてもらった。ちなみに休憩が入る日本映画は「愛のむきだし」以来かな。
世界中でのロケーションなど、ほんとによくがんばっている。制作費20億円とはいうが、その中でもこれだけの美術を組んだのかと感心するほどだ。コクピット、航空機客室、御巣鷹山現場付近、検視所、安置所、空港などが再現されている。
御巣鷹山の事故に関しては、「墜落遺体」なども読んでいるだけに、棺の中にあるものが想像され、胸が締め付けられる。 オーソドックスに据えたカメラワークや、誠実な作りこみは感心する。
しかし、主人公の苦難、主人公と旧友との確執、半官航空会社のモラル、世界最大の航空事故の人間模様、日本社会の宿痾など、どれにフォーカスを当てるのかはっきりしないために、鑑賞後の印象が散漫になってしまうのが、ちょっと残念だ。 なんというか、修羅場の羅列になってしまっている。
高度成長期からバブルの時代の航空会社を素材とするには、どうしても尺が足りない。「ロード・オブ・ザ・リングス」のように、全三部作とするか、現在放映中の「不毛地帯」のようにドラマ化されたほうが、よかったのだろう。
映画としては、渡辺謙と三浦友和の対決劇にディテールをさいたほうがバランスが取れたのかもしれない。渡辺謙がなぜ、そこまでがんばれるのかを象徴するキーフレーズがあれば、もっと印象的だったのにと思う。なにより、時代の「熱」や「欲望」が足りないため、出てくる悪党たちがみな、小物に見えてしまうのだ。
キャスト 渡辺謙 三浦友和 松雪泰子 鈴木京香 石坂浩二 山田辰夫 香川照之 木村多江 清水美沙 鶴田真由 柏原崇 戸田恵梨香 大杉漣 西村雅彦 柴俊夫 風間トオル 神山繁 菅田俊 草笛光子 小野武彦 矢島健一 品川徹 田中健 松下奈緒 宇津井健 小林稔侍 加藤剛 他


