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【映画2009】イングロリアス・バスターズ

 ワーナーマイカルシネマズ板橋10番スクリーンにてSRD鑑賞。

 「ベンジャミン・バトン」とか、「バーン・アフター・リーディング」とか、今年まとまって公開された、ブラッド・ピット映画の中で、抜群にいいね。


 復讐ものは好きだ。タランティーノの「キル・ビル」や「デス・プルーフ」も復讐ものだったけど、強烈な映画的ペダンティシズムに復讐のモティーフが鈍ったのだが、今回の「イングロリアス・バスターズ」では、際立った悪役とヒロインのキャラクター造形によって、とことん復讐の醍醐味が味わえ、エンドロール直前では、立ち上がり、声を上げたくなった。このフィルムには純正復讐ものの美味がある。

 「Inglorious Bastards」ならぬ「Inglourious Basterds」とスペルちがいのタイトルになっているように、トリビアルな言葉のちがいや、コミュニケーションの不備が、さまざまなところで、アクセントとして聞いている。ドイツ語、英語、イタリア語などが、じつにうまく使われ、どんな人種も英語を使うハリウッド映画話法が、映画のトリックとして生きている。

 「レザボア・ドッグス」以来のタランティーノ節というか、大量のダイアログから生まれる緊張感も冴えわたる。全部で5章構成になっているが、各章ごとに言葉のトリックが使われているのが気持ちいい。

 キャラクター造形で感心したのは、殺され、狩られるドイツ人の作り方だ。教養もあり、職業人としての誇りもあり、家族思いで、誠実なのはドイツ人である一方、大雑把に訛り、自信過剰で、下品にして、残忍なのが、アメリカなど連合国側というコントラストがいいね。

  

 とりわけ、クリストフ・ヴァルツが演じている、"Jew Hunter"の異名をとる親衛隊大佐など、ナチのホームズというか、オールマイティなキャラクターで、最初から最後まで、彼の動静には気が抜けない。

 引用については、町山智浩ポッドキャストや映画秘宝などでいろいろと書かれているが、クライマックスのスクリーンは「オズの魔法使い」みたいに感じたし、「キャットピープル」のテーマが流れたときには、ぶったまげたよ。

 どうやったって、メロドラマになる復讐の格好が、ある種のてれかしのようなタランティーノのスタイルにカモフラージュされているけれど、映写室で起こるあれこれは、ほんとにいとおしく、名画とするに足る要素が詰め込まれている。

監督/脚本/製作:クエンティン・タランティーノ 製作:ローレンス・ベンダー 製作総指揮:エリカ・スタインバーグ/ロイド・フィリップス/ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン 共同プロデューサー:ヘニング・モルフェンター/カール・“チャーリー”・ウォベッケン/クリストファー・フィッシャー アシスタントプロデューサー:ピラー・サボーン 撮影監督:ロバート・リチャードソン プロダクションデザイナー:デヴィッド・ワスコ 衣装:アンナ・B・シェパード 視覚効果:ジョン・ダイクストラ 特殊効果・メーク:グレゴリー・ニコテロ 編集:サリー・メンケ 
キャスト ブラッド・ピット メラニー・ロラン クリストフ・ヴァルツ イーライ・ロス マイケル・ファスベンダー ダイアン・クルーガー ダニエル・ブリュール ティル・シュヴァイガー ギデオン・ブルクハルト ジャッキー・イドー B・J・ノヴァック オマー・ドゥーム アウグスト・ディール ドゥニ・メノーシェ シルヴェスター・グロート マルティン・ヴドケ マイク・マイヤーズ ジュリー・ドレフュス ロッド・テイラー 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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