【映画2009】お と なり
知人が関わった映画なので、リリースされたばかりのDVDをこっそりと見て、趣味が合わなかったら、しれっとしているつもりだったけど、これはすばらしい映画だった。
脚本、撮影、配役、編集のどれもすばらしい。
古い洋館のアパートに住むカメラマンと花屋の店員。別々の部屋に暮らし、お互いに顔をあわせることもないのだが、薄い壁越しに隣の音が聞こえてくる。
実際にそんなところに住むのはちょっと厳しいとは思うし、そういう意味では一種のファンタジーのような設定なのだが、どちらの部屋にもテレビがないなどのアイディアで、隣室の存在をノイズとは感じさせない工夫をしている。
部屋のそれぞれで、ドラマが展開していくのだが、人と人との距離感をデリケートに描いた脚本が秀逸なので、見飽きることがない。ドラマの中で、名のみあがってなかなか登場しない人物がいたりして、そういう配置もすばらしい。
主役の岡田准一と麻生久美子はもとより、キャスティングも正確だ。とりわけ谷村美月の存在など抜群で、登場した当初は、心底、うざったく感じていたのに、いつの間にやらいとおしく思わせてくれる。谷村美月は驚かせてくれることが多い。
岡田義徳のコンビニ店員まわりでは、脚本にちょっと危なっかしいところがあるし、清水優が演じる花屋の若者まわりも編集段階でカットされたのか、バランスが悪いのだけれど、近くて遠くて近い関係を上品にまとめて、すれ違いの演出で盛り上げるあたりは、しっかり乗せられてしまった。
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