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【映画2009】きみがぼくを見つけた日

 ワーナーマイカルシネマズ板橋10番スクリーンにてDTS鑑賞。

 いやあ、レイチェル・マクアダムスはいいねぇ。「きみに読む物語」、「パニック・フライト」、「消されたヘッドライン」、そして、「きみがぼくを見つけた日」ですか。どれもすばらしい作品だ。イギリス系血統の女優としてはかなりツボに入るタイプだ。


 時間テーマものに傑作は多いし、時間テーマと聞いただけで、劇場に行きたくなるのだが、最近はちょっと乱発気味で、かつて「不作なし」といわれていた「潜水艦もの」が最近、低落傾向なのと同様、時間テーマもちょっと食傷気味ではある。

 原作小説の邦題にならって「きみがぼくを見つけた日」というタイトルをつけているが、原題は「タイムトラベラーズ・ワイフ」である。そのまま時間旅行者の妻の話だ。原作は未読だが、それなりのボリュームがある。たぶん、もっと多かったエピソードをだいぶカットしたのだろう。

 まるで病気の発作のように、意志でコントロールできないタイムトラベルをしてしまう主人公、どの時代のどこにどれくらいの期間、行くのかはまるっきりコントロールできない。それでも亡き母や愛する人など、自分に縁のあるところにしかいかないこと、自分がどれだけ努力しても過去や未来を大きく変更させることはできないというのがポイントだ。

 「スローターハウス5」的なタイムトラベルに似ているようだが、意識ではなく、肉体ごとタイムトラベルする。ただ、タイムトラベル時に衣服は置き去りになるから、とつぜん、全裸で過去や未来に行くわけだ。

 そんな彼が出会ったのは、美しいアーティストの女性だ。わけのわからないタイムトラベルで、やさぐれた人生に、いきなりレイチェル・マクアダムスがやってきて、「あなたは運命のひと」とか、「あなたのことはなんでも知っている」とか、「あなたといっしょになりたい」とかいってくるんだよ。そりゃもうおいしいもの全部入りじゃないですか。

 とんとん拍子で結婚するふたり。しかし、薔薇色に見えたふたりの結婚生活にもさまざまな影が落ちる。

 レイチェル・マクアダムスが美しく撮れているので、それだけでおれは満足なのだが、映画としてはかなり一本調子になっている。

 白馬の王子ならぬ、全裸の王子として現れた時間旅行者を少女がどうして好きになったのか。映画として印象に残るエピソードがないために、時間旅行者を観客が愛することができない。

   

 また、タイムトラベルものとして、観客が期待する作劇上のツイストがない。「○○の死をくいとめる」とか、「○○と恋に落ちる」とか、「○○の野望を阻止する」とか、主人公の努力や意志がまるっきりないから、趣向の変わった難病ものというか、単調なメロドラマにしかなっていない。

 シカゴやトロントの景色は美しいのだが、時代を示準する風俗やニュースをきちんと織り込んでいないから、話が単なる作り事になっている。タイムトラベルする理由やきっかけが最後までわからないので、後半は泣かせるためのあとだしじゃんけんみたいな展開になる。

 それでもこういうメロドラマはツボなので、泣けてしまうのだけれど、泣くことと映画のクオリティとはまるっきり相関しないんだよね。まあ、レイチェル・マクアダムスを堪能する映画ではありました。

監督:ロベルト・シュヴェンケ 脚本:ブルース・ジョエル・ルービン 製作:ニック・ウェクスラー/デデ・ガードナー 製作総指揮:ブラッド・ピット/リチャード・ブレナー/ミシェル・ウイス/ジャスティス・グリーン 撮影:フロリアン・バルハウス 美術:ジョン・ハットマン 編集:トム・ノーブル 衣装:ジュリー・ワイス 音楽:マイケル・ダナ 
キャスト レイチェル・マクアダムス エリック・バナ アーリス・ハワード ロン・リヴィングストン スティーヴン・トボロウスキー ジェーン・マクリーン ブルックリン・プルー 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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