【舞台・観劇】なにわバタフライN.V
三軒茶屋シアター・トラムで「なにわバタフライN.V」、赤坂ACTシアターで「TALK LIKE SINGING」と三谷幸喜作・演出の芝居を2本連続で観た。ものすごく働いているな三谷幸喜。
三谷幸喜の最良と最悪を続けて観たといってもいい。
まずは「なにわバタフライN.V」である。2005年に渋谷PARCO劇場で見た作品の再演である。戸田恵子の一人芝居という形でミヤコ蝶々の波乱の生涯を描いていたのだが、前回の公演からシナリオをチューンナップした上に、演出をかなり変えている。
前作は一人芝居といいつつ、マリンバとパーカッションをまじえ、記者の取材を受けての回想という形式だったが、今回はそういった音楽奏者をなくし、導入は戸田恵子がミヤコ蝶々を演じるというそのままの語りから始まる。
戸田恵子というスターの存在をきちんと感じさせつつ、ミヤコ蝶々と対話していく構成になっている。芝居を観終わって、いっしょにいったけーむらくんと「戸田恵子、きれいだったね」、「戸田恵子、かわいいよ」と、しみじみ語ってしまった。
前回は一人芝居に挑むという構造の部分で挑戦していたのだが、今回はその力みが消えた。
ある道具をつかってミヤコ蝶々と縁のあった男たちを表現することなどで、むしろ不自然なな力が抜け、自然な感じとなっている。まあ、前回の"師匠(三遊亭柳枝)"の「圧倒的な存在感」も好きだったのだけれど、今回の師匠もなかなか……。
前回のほうがしっとりとしたニュアンスもあったように覚えているが、今回の活きいきとしたミヤコ蝶々は見る喜びをあたえてくれる。
まるで熟成された落語のように、脂っこさやケレンが枯れたあとの艶や滋味がしみてくる。それはもう圧倒的な技術と蓄積から生まれるものだろうけれど、まさにひとつの境地を堪能させてもらった。


