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【映画2010】NINE

 ワーナーマイカルシネマズ板橋にてSRD鑑賞。

 フェリーニの「8 1/2」をもとにしたミュージカルの映画化。手堅いロブ・マーシャル演出だけれど、乗れなかった。

 映画監督の産みの苦しみを描いたという点で、「作家」の映画であるべきなのに、完成したものは映画という製品の難産を描いた「プロデューサー」の映画になってしまった。

 登場する曲も画面構成も悪くはないのだけれど、単なるプロモーションビデオの連続といった感で、映画になってはいない。イタリアの撮影所、チネチッタを舞台にしているのに、全編が英語というのも違和感になってしまった。

 登場する女優は本当に豪華であるけれど、全員がアウェイの演技というべきか、カメオ出演の集大成のようだった。しかも、映画の冒頭で全員が紹介されて、ひとりずつ順番に出てくるのがもったいない。ドラマチックではなく、チェック欄を埋めていくような作業に思えてしまう。

 そんな中でもすばらしかった女優が、マリオン・コティヤールだ。

 監督の妻を演じる彼女だけがこの映画の中で生きていた。彼女が登場すると、画面に血が通う。逆に言えば、彼女の出演シーンが圧倒的に足りない。彼女の出演シーンがもっと多ければ、作品の評価も変わったのに……。

   

 ロブ・マーシャルは女性にある母性的なものは描いているのだが、ミューズとしての女性、ファム・ファタールとしての女性が描けないために、平板な作品になった。

 だれかがキャバクラみたいな作品といったのも納得できるけど、キャバクラの方がもっと楽しい。まあ、キャバクラでBGVにするのに良さそうな作品だよね。

 サントラを買ってiPodに入れてもいいけど、映画そのものをもういちど観たいとは思わない。

監督製作・振付:ロブ・マーシャル 製作総指揮:ライアン・カヴァノー/タッカー・トゥーリー/ボブ・ワインスタイン/ケリー・カーマイケル/マイケル・ドライヤー 製作:マーク・プラット/ハーヴェイ・ワインスタイン 製作・振付:ジョン・デルーカ 脚本:アンソニー・ミンゲラ 撮影:ディオン・ビーブ 美術:ジョン・マイヤー 衣装:コリーン・アトウッド 作詞・作曲:モーリー・イェストン 原作戯曲:マリオ・フラッティ 原案:アーサー・コピット 
キャスト ダニエル・デイ=ルイス マリオン・コティヤール ペネロペ・クルス ジュディ・デンチ ケイト・ハドソン ニコール・キッドマン ソフィア・ローレン ステイシー・ファーガソン 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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