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【映画2013】シネコン至上主義#6

「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」、「LOOPER/ルーパー」、「鈴木先生」、「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」をオススメ。

「水道橋博士のメルマ旬報」で連載中の「シネコン至上主義――DVDでは遅すぎる」のバックナンバーです。

シネコンなどでお金を払ってみた映画作品のレビューです。
映画を映画館で見る理由となる3つの理由について五点満点で採点しています。

「スクリーン必然性」3D効果や臨場感、サウンドなど、家庭のテレビ画面でなく、
映画館で見る必然性を示します。
「インストール強度」人生の一部として、
自分の中にどの程度インストールされるかの目安です。
「おっぱい指数」映画に必要な裸の女優の割合を物理的なものだけでなく、
色気も含めて評価します。




「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」

スクリーン必然性 ★★★
インストール強度 ★★
おっぱい指数   ★★★★

もうしわけないっ! 2012年12月8日公開の映画だ。
すでに劇場で見ることは難しくなっている。
シネコン至上主義といっておきつつ、
シネコンで見られなくなった映画をここで紹介するのは心苦しい。
それでもそれでも書かなければならない作品なのだ。

これは日本の新世代特撮映画の到達点だ。
ここ数年の仮面ライダーに関する常識があると、よりいっそう楽しめるのだが、
それだけでなく、昭和の等身大ヒーローや石森プロ作品、
さらにはタイムトラベル映画なんかの場数があれば、
隅々までぎっしり詰まった要素のことごとくを楽しめるはずだ。

タイトルにある「仮面ライダー ウィザード」と
「仮面ライダー フォーゼ」が出てくるだけではない。
「アクマイザー3」、「イナズマン」、「ポワトリン」といった
石ノ森キャラが登場。
さらには過去シリーズ作品から「仮面ライダー なでしこ」まで帰ってくる。

監督、アクション監督をつとめる坂本浩一は
一作ごとに特撮アクションの地平を広げてきた人物だ。
倉田保昭門下にして、南カリフォルニア大学に進んだのち、
スタント・チームを結成。
海外で「パワーレンジャー」シリーズのアクション監督を務めたあと、
映画「怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」や
「仮面ライダーW」で監督を務めてきた。

その斬新さと密度感にあふれるアクションセンスにはいつも感心させられる。
昨年、アクションシーンで話題になった「るろうに剣心」もいいけど、
自分にはこっちが肌に合う。

さらにメインライターは浦沢義雄だよ。
浦沢義雄のキャリアについては、あまりにすごすぎて、
ここで書くより、wikiなりで調べてほしいのだが、
彼が22年前に全脚本を書いていた「美少女仮面ポワトリン」が、
彼の手でよみがえるというだけで、
あのころ、テレビを見ていた大きなお友達なら、見るべきだ。

そして、今回のすばらしい発見はポワトリンを演じる入来茉里にある。
アクションが出来る女優としては、
志穂美悦子や森永奈緒美をしのぐほどの新星といってもいいだろう。
新体操の経験があるそうだが、
身代わりなしでここまでのアクションを見せてくれるなんて!
そして、その魅力をとことん引き出す、坂本演出には舌を巻くしかなく、
彼女の出演シーンのすべてに目が釘付けだよ。
なにしろポワトリンだから、
顔を含めて生身の露出が多いとはいえないコスチュームなのだが、
そこから、これほどのお色気を引き出すとは……。

ストーリーはかなりのむちゃぶりなのだが、
それでも94分の尺の中にこれだけの要素を詰め込んで、
破綻の一歩手前で踏みとどまっている美しさには感心するしかない。

「マッドマックス2」かと思っちゃうほどのアクションもあって、
見ていてほれぼれしたよ。この快感はひさしぶりだ。

未見の人はどんな手段でもつかって見てほしい。

■採点理由
特撮ドラマ的と言うよりは、香港映画にも比肩するアクションの数々、
これは「スクリーン必然性」が★★★だ。
ここからインストールされるのではなく、
それまでインストールされてきた特撮や映画の資質が問われるので
「インストール強度」は★★。
乳首は出ないが、パパに対するサービス満点。

原幹恵のバストに塗られたオイルとか、
ポワトリンの"絶対領域"強調アクションにはただならぬものがある。
だから「おっぱい指数」は★★★★あげちゃうよ。

■以下ネタバレ
クライマックス後、浦沢義雄ならではの悪意に満ちたツイストには、
劇場全体が阿鼻叫喚に包まれた。
その内容はトラウマもので、この映画を許せない気分になる人もいるだろう。
だが、その周辺にしこまれた時間ネタとの関連を考えると、これは「あり」!
すばらしくうれしくなってしまったよ。




「LOOPER/ルーパー」

スクリーン必然性 ★★★★
インストール強度 ★★★★
おっぱい指数   ★★★

「ターミネーター」、「ガタカ」、「12モンキーズ」、「デッドゾーン」、
「ブレードランナー」、いま50歳の自分にとって、
カチリという音を立てて映画の歴史を変える作品の多くはSF作品だった。
「LOOPER/ルーパー」からもそんな音が聞こえてきた。

オリジナリティと説得力が共存する世界設定と、
観客の知性に問いかけるストーリーがうまく交わると、
こんな興奮を堪能できるのだ。

停滞感が蔓延する都市のそばに「刑事ジョン・ブック」の素朴な暮らし、
「北北東に進路をとれ」や「フィールド・オブ・ドリームス」のような
トウモロコシ畑。そして、遙かなる上海。
未来世界のひとつひとつのロケーションと、現代世界との距離感が絶妙なのだ。

たとえば、屋根に並んだ太陽光パネル。
たとえば、代替エネルギーを利用するためか、排気管などが改造された自動車。
たとえば、銃器のひとつひとつ。
単にセリフや演技だけでなく、
観客にさまざまなミザンセーヌ(カメラに映るすべてのもの)を
覗きこませる映画だ。

そしてストーリーと設定。
未来の自分を過去の自分が殺すという、
めまいをともなうシチュエーションがストーリーの強烈な吸引力となる。

予告編通りに展開する映画ばかりの昨今、
この映画の展開については、気持ちよく裏切られたよ。

「HUNTED BY YOUR FUTURE、HAUNTED BY YOUR PAST」。
これはアメリカでの惹句だ。
まさしく、「自分の未来に狩られ、自分の過去にとり憑かれ」という
内容にはうならされる。

なにより枯れ切ったディテールの蓄積による説得力と、
エモーションの浮揚感がたまらない。

相当に複雑な話だけに、齟齬を感じるところもいくつかある。
それが、本当の齟齬なのか、こちらの理解不足なのか、
一度しか見ていないので、はっきりわからなかったりもするのだが、
それでも、未来からきた「答え合わせ」としての自分を見せられながら、
ひとはどのように成長するのかという、
エキサイティングなテーマは、鑑賞後も心に深く根ざすものだろう。

■採点理由
この世界を堪能するためには、暗い映画館という異世界が必要だから、
「スクリーン必然性」は★★★。
人の選択について長く考えさせてくれる映画だから、
「インストール強度」は★★★★。
冒頭、ストリッパー登場シーンも多く、
少なくとも三人のおっぱいを確認したから、「おっぱい指数」は★★★。

■以下ネタバレ
最後の「選択」について、完全でなくても部分でよかったという
人がいるのだけれど、一時しのぎではない選択としての決断はすばらしいと思う。
ただ、未来のジョセフが、レインメーカー殺害を決意する動機となった、
ある"死"なんだけど、あれって設定上おかしくないのかな。

「映画 鈴木先生」

スクリーン必然性 ★★
インストール強度 ★★★★
おっぱい指数   ★★


ギャラクシー賞を受賞するほど高い評価を受けたものの、
視聴率的には苦戦したテレビドラマのエピローグ的内容だが、
ドラマを見ずにこの作品を見て、興味があれば、
ビデオレンタルか、huluでドラマ「鈴木先生」10話を見ても問題ない。

「鈴木先生」は2011年、ぼくも夢中になったドラマだが、
学園映画のジャンルでは、
2012年に「桐島、部活やめるってよ」という革命的秀作があり、
ぼくらはその革新を体験してしまった。

2013年の映画「鈴木先生」がアフター「桐島」作品として
とらえられてしまうのは仕方ない。
そのせいか、かつては楽しめた序盤のドラマ調演出がゆるい印象に見え、
侮ってしまったのだが、それは大きな間違いだった。

映画が進むに連れてグイグイと引き込まれていき、
終映時の感動は比類ないレベルのものになった。
これこそ鈴木メソッドの凱歌だね!
ブラボー! ブラボー! ブラボー!

学園映画は、それが「鈴木先生」であれ、「桐島」であれ、「悪の教典」であれ、
すべて、子どもたちのドラマにとどまるわけではなく、
現実世界のメタファーである。
「カッコーの巣の上で」の精神病院、
「暴力脱獄」や「パピヨン」の監獄も
同様に僕らの住む社会そのものっていうのも、同様のメタファーだ。

「鈴木先生」は社会のシステムの中で、どう考えれば生きる負荷が減るのか、
どう考えれば相互の理解が進むのかという
メソッドを投入するファンタジーでもある。
リアルな体裁をとっているが、
かなりのデフォルメを伴っている非現実空間の中で、
事実のコピーにとどまらない、ひとの普遍的な真実を探ろうという作品だ。

自己啓発的なニュアンスもあるのだが、
心理劇が積み上がるサスペンスの中で、
ぼくらが住む社会に立ち向かう姿勢をかたどっていく。

風間俊介が演じる勝野ユウジというキャラクターについては、
ある事件を起こすにいたるプロセスが図式的に思えたりもするなど、
バランスの崩れたところもある。
それでも、ドラマの中で熟成されてきた鈴木学級の完成形を
はっきりと見せてくれるクライマックスはすばらしい。

鈴木先生は今作で父親的な役割が強くなっている。
まるで娘がしっかり育ったときの喜びがここにはあふれている。

■採点理由
ドラマは「映画みたいなドラマ」だったが、
今回は「ドラマみたいな映画」に思えたので「スクリーン必然性」は★★。
テーマとなるメソッドはかなり実践したくなるので、
「インストール強度」★★★★。
まあ、中学生のドラマだし、親目線になっちゃうので「おっぱい指数」は★★。

■ネタバレ
「本当の自分をさらけ出す」ことより、
「役割を演じる」ことの重要性を考えさせる鈴木メソッドは、
ほかのいろんなことに転用できるね。




「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」

スクリーン必然性 ★★★★
インストール強度 ★
おっぱい指数   ★

監督はツイ・ハークである。
1980年代、レンタル店が普及した日本でビデオブームが起きたとき、
当時興隆していた香港映画は重要なコンテンツとして、日本に大量流入してきた。
その中に、香港のスピルバーグとして、
ツイ・ハークの製作・監督作品には楽しませていただいた。

「ドラゴンゲート」はつぎはぎのシナリオとちぐはぐな設定で
キャラクターと見せ場しかない映画だが、
だからこそ生まれる至福というのがある。
さすがはツイ・ハーク、80年代に熱中したあの香港映画が
パワーアップして帰ってきたみたいだ。
つながりの粗さは武侠小説やクリフハンガー的な意気込みとみてもいいだろう。

3D映画である。
それもハリウッド製3Dのように上品なものではない。
むやみに飛び出す。
下品に飛び出す。
中華アクションのワイヤーワークと3Dの相性はなかなかのものである。

往時のスクウェアのゲームのような男女バランスの映画である。
女性キャラがむやみに多い。しかも魅力的だ。
顔に刺青をいれた韃靼人の王女(グイ・ルンメイ)が最高だ。
いまや、グイ・ルンメイの過去作品を総チェックしたいくらい。

もちろん、ジェット・リーの出演作だから、アクションもなかなかのレベル。
こういうのって、吹き替えで観たかったりするんだけど、
どこかでやってくれないかな。

■採点理由
3Dのアクション大作ってだけで「スクリーン必然性」は、★★★★。
他愛のなさが魅力ではあるから、「インストール強度」は★。
女性がいっぱい出てきても、セクシーさはあまり感じられないので、
「おっぱい指数」は★。

■以下ネタバレ
そっくりネタって、もうちょっと展開されるのかと思ったら、
あれっきりかよ。そういう雑さを忘れていました。

★今月とりあげなかった映画
おすすめの映画をなるべく紹介したいのですが、
今回、いろんな理由で紹介しなかった映画は以下のものです。

「大奥 永遠」
「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンpart2」
「96時間 リベンジ」
「渾身」


★近況
今月はTOHOシネマズのシネマイレージ特典でいただいた
1ヶ月フリーパスポートを使って、関東のシネコンまわりをしています。
都心のシネコンとはちがう新鮮な楽しさがありますね。


最新映画については、「水道橋博士のメルマ旬報」で、ご紹介!

※こちらのエントリーもどうぞ。

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